米ドル/円相場は、1ドル=101円台前半まで値位置を切り上げる展開になっている。前週に続いて日本株買い・円売りが継続する中、ドル高・円安傾向が維持されている。100円の節目到達で短期的な目標達成感もあったが、その後も世界的な株高圧力が継続していることを背景に、投機筋が積極的に円を売り込む展開が続いている。7月8日以来の円安水準を更新している。
米金融緩和政策の早期縮小観測が蒸し返されるも、株高傾向は維持されている。米株式相場は過去最高値の更新を続けており、日経平均株価も5月中旬以来の高値を更新している。こうした中、流動性を増した投機マネーは約半年ぶりに本格的な日本株買い・円売り方針に傾いており、短期的には円安方向に値が飛ぶリスクに対して注意が必要な状況となっている。年明け後には再び米連邦債務上限引き下げを巡る議論再開が控えているが、年内に限定すると来月の雇用統計と米連邦公開市場委員会(FOMC)を除くと目立ったリスクイベントは存在せず、リスクオンの地合が株高と連動した円売り圧力に直結し易い状況とみている。当面は、株式相場の地合が円相場の行方も決定付ける見通しである。
一方、再び米金融緩和の早期縮小観測が強くなっていることも、ドル/円相場に対してはネガティブである。10月に開催されたFOMC議事録が公開されたが、そこでは数ヶ月以内に債券購入を縮小することが正当化される可能性が指摘されている。米連邦政府機能の閉鎖直後のFOMCにもかかわらず、金融当局者は比較的楽観的な景気認識・見通しを有していることが確認できる。これを受けての米金利上昇圧力は抑制されているが、少なくとも米金利低下・ドル安リスクは後退している。
テクニカルでは、一目均衡表の転換線(100.24円)とのかい離が拡大し、やや過熱感がある。同水準の下は基準線(99.15円)が支持線に。サイコロジカルは、前週の7勝5敗から8勝4敗に。14日RSIは69.49。